ケース① 〜ジャイ子編 Ⅰ〜
たまたま日本人妻(仮名:ジャイ子)と私は、同い年ってのもあって意気投合。
ジャイ子には、うちのじょりちゃんより2歳年下の女の子がいます。
知り合った当時、ジャイ子はフランスへ嫁に来て半年足らず。
まむのことを、フランス生活が長い先輩、子育ての先輩、と見立ててくれたようです。
そんなわけで、知り合った当初から、
『まむちゃん、まむちゃん』
と、ジャイ子は慕ってくれてました。
話を聞いていると、どうやら旦那さん方のご家庭事情が結構複雑そう。
ジャイ子もとても自立心が構築されていて、日本のご実家には
それ程頼ってはいないとのこと。
そんな訳で、娘達のお下がりをジャイ子の娘さんに譲ったりしておりました。
そんなある日、ジャイ子が日本人のお友達(ジャイ子の娘と同い年の女の子)を連れ立って
我が家へ来てくれることに。
『必要なものがあったら持っていってねー』
まむ、ダンボール10箱程の子供用品を並べてみました。
ジャイ子のお友達は、「 今必要な物だけ頂くね 」、と遠慮がちに数点選びました。
しかしジャイ子は全く選ぶ気配がない...
まむ、選びやすいようにわざわざダンボールから出して並べていたのに...
胸騒ぎが始まったまむ、息をひそめながら横目でジャイ子の様子を伺っておりました。
そして、
『そろそろ娘のお迎えの時間だからこのへんでぇ〜』
言うと、
『じゃっ、ありがとねぇ~ まむ♥』
と言ってジャイ子、並べられていた全てのものを箱詰めし始めました。
1枚残らず、1足残らず、全て。
そりゃー私、「 じゃんじゃん気にせず持っていってね 」 と言いましたよ。
ええ、まむが提案しました。
でもさすがのまむでも、すべて根こそぎ持っていくなんて思ってもみませんでしたよ。
その晩、がぶちゃんにことのイキサツを話すと、
『君が提案したんでしょ?
だから彼女、持ってっちゃったんじゃないの?!
嫌だったら提案しなきゃいいんだよ』
と、相変わらずcoolなご意見。
はい、ごもっとも。
でっ、でもさ...
わてら、一応日本人の端くれっすよね?
少しは謙虚の気持ちってもん、持ってんじゃねーの?
後日、
『あんなに沢山お下がりもらっちゃったから旦那がね、
美味しいショコラを ' まむのため ' に買って来てくれたから、ぜひ食べにきてーっ』
と、ジャイ子から招待がありました。
10箱分のお礼のショコラってどんなショコラだろう...
でも、 " 食べにおいで " って、どんな意味だろう...?
なんて深読みしながら、ジャイ子のお宅へ行って参りました。
テーブルの上にはすでに開かれた状態の “ 箱詰 ” されているショコラ。
『ホレホレ、まむ、ショコラ好きでしょぉ〜 好きなだけ食べてね★』
ショコラが大好物なまむ。
食いしん坊なまむ。
でも、そんなまむでも、やっぱりガバガバと食べられるものじゃないですよ、
“ 箱詰 ” されているショコラ。
一粒だけ頂いて、
『それではおいとまするね』
と立ち上がりました。
残った “ 箱詰 ” のショコラ、その後ジャイ子夫婦のお口の中へ
消えていったのでしょうね。
いいんですよ、しつこいですが、まむが提案して渡した子供用日10箱。
ジャイ子も喜んでくれたようですし、お礼を言ってくれたことですしね。
それに、わざわざ “ 箱詰 ” のショコラをまむだけのために用意してくれたんですかね。
けどせめて、その “ 箱詰 ” のショコラ、箱ごと渡してくれてもいいんじゃね?
って思っちゃったまむは、やはり食いしん坊なのでしょうか...
私も娘が赤ちゃんの時は、日本人の先輩ママさんからお下がりを頂いたりしましたよ。
そんな時はお洋服やさんの商品券など、誠意を持って何かお返しさせて頂いて参りました。
うぅ~ん、世代もお国も違うと、やはりお礼の仕方なんかも違ってくるのかな?
いやいや、ジャイ子、私と同い年だし、めっちゃ日本人じゃん!