ケース② 〜貞子編 Ⅴ〜 りんご事件①
あぁ~っ、貞子編、こちらも早く終わらせたい。
だってもう貞子のこと思い出したくないんだもん。
私の記憶から抹消したい人物上位ですわっ、彼女。
実はこんな田舎の集落にも、
日本人ママ達が主催する、
未就学児達が日本語で一緒に触れ合える場を設けましょう
という活動を月に2度程行っております。
まむはこーゆー活動、大の苦手です。
要は子供達を遊ばせつつ、ママ達の暇つぶしの場、とでもいいましょうか。
しかし、あまり日本語に触れ合うことのない子供たちにとっては
とても有意義な活動だとは思います。
ある日、唯一の日本人ママ友まるちゃんから
この活動への参加のお誘いがかかりました。
まむ以外の日本語にあまり触れることのない娘達。
そんな娘達を不憫に思いつつも、積極的に日本人の輪の中へ入っていかない母。
ここはいっちょ参加してみよう!と決心致しました。
でもまむ、知っていたんです。
貞子と貞子の娘が、ザッ、メルセデス・ベンツに乗って、
この活動に参加していないはずがないことを。
だって、お金持ちな海外在住(山暮らし)主婦、貞子。
もちろん暇を持て余しているでしょうから、
一人娘の教育には全身全霊捧げていらっしゃることでしょうよ。
一応、まるちゃんにも貞子とのちょっとしたいきさつを話していたと思います。
でもまるちゃん、とーっても人がよくて、職業柄、
人の悪口なんて決して口が裂けても言わなそうなのを知っておりましたので、
その当時、あまり露骨には、『 まむは貞子が嫌い 』
とは伝えておりませんでしたの。
そして遂にまむ一家、出陣の日が参りました。
気が重いまむ。
人見知りの激しいまむ。
周りは専業主婦の擦れてらっしゃらない日本人のお母さまばかり。
到着した瞬間から帰りたいモードのまむ。
この日、たまたま貞子が日直さんという、
貞子仕切り屋の日だったのでございました...
それを知った瞬間、なぜか悪寒が走りました...
ケース② 〜貞子編 Ⅴ〜 りんご事件②へ続く