ケース② 〜貞子編 Ⅰ- Ⅱ〜
ケース② 〜貞子編 Ⅰ- Ⅱ〜
それから月日は流れ、まむ、次女じょりちゃんを無事出産致しました。
産休後3年間の育児休暇へと突入した次第でございます。
この間に、長女ここちゃんは、地元の私立Jの幼稚園へ入学していました。
★ ★ ★ ★ ★
実は、次女じょりちゃんを身ごもる前に一度、
貞子と貞子の娘と道で会いました。
貞子とはかなりのご近所でしたからね。
その時貞子が、
『娘を私立Jに9月から通わせようと思ってたんだけど、
落とされちゃったの。倍率70倍だって。』
と言っておりました。
『インターも考えたんだけど、主人が中学までは地元の公立でいいんじゃないかって。
だから、とりあえず近所の公立Pへ通うことになったのよ』
えーっ、Jってそんなに倍率高いんだ。。。
実は、我が家もここちゃんを私立Jへ入れようと考えておりました。
がぶちゃんもまむも一般庶民ではございますがね、
子供のことに関しては、教育熱心なんでございますわよ。
ですからここちゃんもJへ入学できたらいいね、なんてがぶちゃんと話してたんです。
★ ★ ★ ★ ★
育休中に戻って。
近所のスーパーで、じょりちゃんを乗せたプセット(乳母車)を押しながら
(当時じょりちゃん4ヶ月ぐらいだったでしょうか。)
がぶちゃんとお買い物をしておりました。
突然、正面から『まむちゃん』と声をかけられました。
貞子とその娘がいるではありませんかっ。
『あっ、あれ?ここちゃん?』
と、プセットに寝転がらされているじょりちゃんを見て、
貞子が質問してきました。
『えっ? これは次女だよ。ここちゃんは学校へ行ってるよ。
二人目が生まれたんだ』
とまむ。
そうそう、貞子とは、じょりちゃんを妊娠する前から
連絡を取っていなかったものですから、貞子、少々パニクってしまった模様。
『えーっ、そうだったんだーっ。
ところでここちゃんって、幼稚園入学したんだよね? Pに通ってる?』
と尋問、質問をされました。
ご近所ということで、本当ならば貞子の娘とここちゃんは同じ学校のはずだったのです。
『実は、Jに通い始めたんだよね。』
貞子の鋭い視線が、一気にまむの背筋を凍りつかせました。
『えっ?ここちゃん、Jに入れたんだー。すごいねー』
抑揚のない声で ” すごいねー ” と言われちゃいました。
目が全然 ” すごいねー ” って言ってないよ💧
貞子、すっごく、こっ、こわいよ。
メチャクチャ切れ長一重の貞子。
元々口調も、全くマイルドではございません。
それに増して、抑揚のない声で言われちゃったものですから、
まむ、アタフタしちゃいましたよ。
ほんの数分、数秒間の会話でしたが、
数時間も針のムシロに座らされていたような感覚でしたね。
幸い、貞子の娘がグズリ出したので、娘を引き連れ貞子、去って行かれました。
がぶちゃんもこの異様な光景に息をひそめ、見守っておりましたね。
まむ、お子様お受験戦争のママたちの見栄の張り合い、
嫉妬の渦の中に一瞬迷い込んだようでした...
いやいや、きっとまむの思い過ごしでしょうね...
大富豪の貞子様が、一般庶民のまむ相手に嫉妬するなんてね、奥様。
続く...
ケース② 〜貞子編 Ⅰ~ 完